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2012年4月23日

【まとめ】4号機の現状と、倒壊後の被害予測(福島第一原発,WSJ)

【4号機の現状と倒壊の可能性、そして予測される被害】

これまで、日本のマスコミはほとんど言及してこなかった福島第一原発4号機の危機。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)日本版が、4号機の現状と、倒壊した場合の影響・被害予測について、うまく整理しています。

重要と思われる部分について要約し、メモに残しておきたいと思います。

(メモここから)

・4号機の燃料プールに保管されている燃料は、使用済み燃料1331本と新燃料204本、合わせて1535本。

・アメリカの民主党議員ロン・ワイデン氏は、2012年4月6日、福島原発を視察。事故処理の進み具合があまりに遅いことから、日本政府に「米国の支援を受け入れるように」との書簡を送付。

ワイデン議員は、4月17日、米ニュース専門局MSNBCで、次のような趣旨のコメントをした。
「地震や津波で、使用済み燃料プールが損壊すれば、核燃料棒が過熱してメルトダウン(炉心溶融)しかねない。そうなれば、放射性物質が飛散し、制御するのは難しいだろう」 。

・原発の専門家であるアーニー・ガンダーセン博士は、次のような趣旨の警告をしている。
  「プール内の燃料は、上空から丸見えの状態で保管されている。そのため、使用済み燃料が過熱し、燃えるようなことになれば、多量のプルトニウムやウラニウム、セシウム、ストロンチウムが飛散。10万人以上が命を落とす」。

・米原子力規制委員会(NRC)内部文書(11年3月17日付)によれば、NRCも、3号機に続き、4号機に優先順位を置いていた。

・2011年10月14日付朝日新聞は、経済産業省原子力安全・保安院が6月に行った予測を紹介。余震でプールが損壊した場合、冷却機能が失われ、2~3時間後には放射性物質が漏れ出し、7・7時間後には燃料溶融が始まることが予想された。

元国連職員の松村昭雄氏は、4月3日付ブログのなかで、ロバート・アルバレス氏(米エネルギー省長官・次官の元上級政策アドバイザー)の試算を紹介。4号機のプールが壊れた場合、放出されるセシウムの量は、チェルノブイリ事故の10倍に達する、としている。

ケビン・メア元米国務省日本部長は、著書『決断できない日本』(文春新書)の中で次のような趣旨の指摘をしている。
「4号機の貯蔵プールには、建屋のコンクリート片が大量に落下。このため、プールの水の組成が化学変化を引き起こし、ラックが溶け出して燃料融解が起きる可能性がある」。

(メモここまで)

 (参考)
・ウォール・ストリート・ジャーナル日本版:【肥田美佐子のNYリポート】米議員が4号機プールの危険性を指摘「燃料棒取り出しの迅速化を」
(2012年4月20日)
http://jp.wsj.com/US/Economy/node_430178


やはり、「4号機が倒壊すれば、危機的状況になる」というのが、海外からの意見の主流であるように思います。


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